’12 イタリア話 その26 『やってしまった!』

『やってしまった!』

やってしまった。

※今回は汚い記述があるので
お食事中、お食事前の方はご注意ください。

ローマのテルミニ駅に着いた。
スーツケースをおしながら長いホームを歩いた。

構内は床が良いので
スーツケースのコマのすべりが良い。

外に出るとくたびれたアスファルト。

デコボコを避けながら
奥野の後について、ホテルに向かった。

駐車車両の間を抜けて大きな通りを渡りきった時、

岡地「誰かウンコを引きずってますよ!」

最後尾の岡地が声を上げた。

奥野「俺ちゃうで」

飯田「うそー」

岡地「信也(飯田)さんでしょ(笑)」

奥野「ほんまや(笑)」

注意しながら押していたのに
道端でうずくまった・・・

穴ではなくウンコにやられるなんて
しかも大分引きずって、巻き込んでしまった・・・

へこんでいても仕方が無い!

掃除がはじまった。

ポケットティッシュを細くして車輪に沿わして
中まで食い込んだ犬のウンコさんを丁寧に拭き取ろうと試みるのだが、
ティッシュの繊維が弱く
すぐに破れてしまう。

そこで
ウエットティッシュを取り出し
何度もローラーにかけるように拭き取った。

あかん
車輪の軸にまで達してしまっている・・・

何か細い棒のようなものでほじり出さなければ。

綿棒では太すぎる。
かばんの中を探すが適当な物は無い。

奥野「爪楊枝が落ちているで!」

飯田「それでいこう」

どこぞのイタリアのおっさんが汚い口の中をシーハーして歯ぐそを取った爪楊枝を
私が宝物を見つけたように拾いあさり、
車輪の隙間に突っ込む。

そらそうでしょ
おっさん爪楊枝と犬のウンコでは
究極の対決ですが
おっさん爪楊枝でしょう!

別に口の中に入れる訳ではないし・・・(笑)

奥野が笑いながら拾ってくれる。

なんとか掃除を済ませて、
ホテルに向かった。

部屋に着くと
急に足の小指に激痛が

靴を脱ぐと靴下が真っ赤に染まっている。
傷口が完全に開いてしまった。

しゃがみながらの作業で
小指に力が入った。

すぐに近くの市場に買物に行く予定だったが
私は止血のためにベットで
休ませてもらった。

2人が出た後も
止血をしながら
まだゴシゴシ車輪を拭いた。

夢中になってくると
大きなウンコが出てくると嬉しくなってきた。
『取れた』ではなく『獲れた』という気分に・・・

そして
道端で拭いた作業を思い出した。

岡地がティッシュを出してくれて、
奥野が爪楊枝を。

まるで
手術のようだな。

「ガーゼ」
「メス」

てな感じで。

ウンコが腫瘍かな。

なんじゃこの妄想。
改めて
私は頭がおかしいな、と再確認。

1人でベットに横たわりながらニヤニヤしているところに
2人が帰ってくた。

奥野「何笑ってるんや!壊れたんか?」

飯田「あほか。もう綺麗になったから、俺の可愛いスーツケースを汚い目で見んといたってくれよ」

奥野「わかった(笑)。けど、まだ臭うで!」

飯田「うそーん。ゴミをほったら大丈夫やって!」

拭き取ったゴミを片手に
街にでた。

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