新しいパスタ
奥野シェフの一押しのパスタ。
一昨年に仕込んだ2年ものの自家製イカナゴの唐辛子漬け(ロサマリーナ)。
そのロサマリーナをベースに作った魚介のトマトソースです。
とにかく濃厚です。
長期に熟された旨味によって
口当たりが軟らかく感じる辛味がパスタの小麦の甘味を引き立ててくれています。
過去には何回も熟成させていますが
途中で腐ってしまったり、
上手にできても完売してしまったり・・・
などあって、これだけの多くの量の2歳のイカナゴが揃ったことはないですね。
1ヶ月限定ですが
定番メニューに加えさせていただきます。
飯田の一押しのパスタ。
ローマのオッタビアーノ駅(バチカンの最寄の地下鉄の駅)。
そこにあるトラットリアで食べたアラビアータの再現。
改めて、「トマトソースって美味しいなぁ!!」と思いまして、
あえてシンプルなアラビアータソースをリクエストしました。
ソースは、シンプルにトマト、にんにく、唐辛子のみで作ります。
現地で食べたアラビアータは結構唐辛子が効いてたので
現地レシピに従って作りました。
辛いものが苦手な方は、ちょっとキビシイかもしれません。。。
パンチの効いたソースにはパンチの効いた麺”キタッラ”を合わせます。
麺は太く存在感はバッチリ!
見かけはまるでうどんのようですが、口に運ぶとイタリアンに変身しますよ。
びっくりしたのは
このパスタ専用にトマトソースを仕込むし
原料となるホールトマトも違うものを使っています。
「トマトソースって美味しいなぁ!!」と言いませんか?
稲月シェフの一押し。
生ハムとパルメザンチーズのみのシンプルなパスタ。
14ヶ月熟成のパルマ産の生ハムを2枚使って
おろしたての2年熟成のパルメザンチーズを大量にふりかける。
これが最もイタリアを感じられる味かもしれませんね。
そして、くえろっぽい味だと思います。
お客様からリクエストの多いパスタ。
栗のカルボナーラの時のみの登場だったんですが
2ヶ月半熟成させた自家製のパンチェッタを使ったカルボナーラ。
2ヶ月半待たされた濃厚な脂が
フライパンにのせると待ってましたとばかり弾けるように溢れ出てきます。
そんな濃厚な脂と卵黄と2年熟成のパルメザンチーズが交わると
そら濃厚なソースに仕上がります。
特にカルボナーラ好きの方には想像した通りの味だと思います。
一部のお客様から桜えびのペペロンチーノを残して欲しいとの声が多かったです。
そこで
私が無理やりねじ込んだパスタです。
加熱して高温になったアルミのフライパンに
オリーブオイルとニンニクを。
そこに桜えびを加えると揚がるように火が通り、
芳ばしい桜えびオイルが仕上がります。
その美味しいオイルでパスタをからめるだけのパスタです。
常連さんの強いリクエスト。
奥野「数が足らんって」
飯田「限定でいいから」
奥野「・・・無くなったら終わりやで・・・」
と渋々了承してくれたパスタ。
味の構成は単純。
ボンゴレ ビアンコに自家製からすみを
大量にふりかけただけのパスタ。
数に限りがありますし
特に食べたい方のみに提案させていただきます。
ここからが
メニューが変わらなかったパスタ。
女性に1番人気のパスタ。
多くのお客様から支持をいただいています。
青しそを10枚くらい使ってペーストをつくっています。
あっさりとしたパスタを食べたい方はお薦めです。
濃厚なゴルゴンゾーラチーズを使ったパスタ。
毎回、これしか食べないお客様も多いです。
くえろのメールマガジンは
ゴルゴンゾーラの熟成度合いを教えて欲しいというのが始まり。
それほど
中毒性があります。
このゴルゴンゾーラは素晴らしいです。
イタリアで食べるよりも美味しいと感じます。
それほど良質のゴルゴンゾーラ。
と威張っても・・・
仕入先が良いゴルゴンゾーラを輸入してくれているだけですが・・・
少量ではおろしてくれません。
ホールで買っています。
こんな小さなお店でも仕入れられるのは
多くのお客様の支持をいただいているからです。
こんな相思相愛のパスタ。
定番メニューからは外せませんよ。
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長くなりましたが、
くえろの目指す方向性がより強く出てきたパスタばかり。
ベースになる食材まで自家製で作り
もう一度フライパンで手を加えて
お客様に提案する。
家庭で再現できないような味だからこそ
コックに作ってもらう。
それは
レストランで食べる
よそいきの味ではなく、
気軽に食べられる
食べなれた味の最高峰。
飯田「高級なパスタって?詰め物(ラビオリ)とかになるんかな?」
稲月「他にもあるよ!くえろでやるエビのパスタもエビでダシをとるだけでなく、エビを焼いたり揚げたりして上にのせてソースをかけて飾ればもっとお金をとれるよ!」
飯田「なるほど」
稲月「だけど、俺はパスタをガッツリ食べるのが好きだ!智也さん(奥野シェフ)もそうだと思うよ!」
技術をみせて飾るのではなく
あくまで家庭的な味。
しかし
そこは家庭と距離を保たないと
「家で出来るやん」と思われたら
わざわざお金を出して食べにきてくれませんよね。
技術がしっかりあるシェフが
定番のパスタを計算されたプロの味で出す。
しれっと普通のパスタのような顔で(笑)
そこが家庭との距離。
フォアグラやキャビアを使うのとは異なり
この距離感は明確ではありません。
メニューを見ただけではわかりませんから。
距離を測るのは
受け手であるお客様の味覚のみです。
なので
いつまでたっても
万人受けはしないでしょうね。
それでも
素晴らしい!好きだ!という方さえ
再び足を運んでいただければ
なんとかお店は維持していけるかな?
と考えています。
そこが
くえろの目指すところかな?とぼんやりと見えてきましたね。
まだまだ、もがきながら精進していきます。
3月は
毎週の旬のメニューもあるし
常連のお客様はパスタの選択に悩むでしょうね。
いつも1人で来られる方は2人で
2人の方は4人で
お友達に声をかけて
いつもよりも
多くの方と来店してシェアをお薦めいたします。
一般的なお店のメニューのリニューアルとは違って
どれも以前に旬のパスタという形で何回も試して
多くの支持をいただいているメニューばかり。
お口に合わないことはあっても
不味いことはないと断言できますよ!
長々と失礼いたしましたが
これが3月の意気込みです(笑)。