<前菜>
・ホタルイカのライスサラダ ¥1,680
<パスタ>
・タリアッテッレ ペスカトーレ ¥1,680
<メイン>
・豚肩ロースとパプリカのトマトソース煮 ¥1,680
<デザート>
・ライチのヨーグルト ココナッツソース ¥472
<前菜>
・ホタルイカのライスサラダ
トマトジュースで炊いたお米のサラダに
自家製しらすの唐辛子漬けで味付けしたホタルイカをのせています。
ホタルイカと数種類の香草とともにご飯を食べてください。
パスタを主食とするイタリアではお米は野菜に部類されます。
そのお米を使ったサラダです。
サラダというだけあって多くの食材が入っています。
トマトジュースでお米を炊きます。
うすいえんどう、セロリを加えます。
さらに、
ンドゥイヤ(豚肉の唐辛子漬け)と
昨春に仕込んだ自家製しらす漬け(ロサマリーナ)でホタルイカを和えます。
上には、
ディル・イタリアンパセリ・クレソン・チャービル・トレビスが・・・
これらの香味野菜とピリッとしたホタルイカの相性が良いです。
そして、
それらは酸味があるトマト風味のライスに良く合います。
うすいえんどうを噛むと香味野菜とは異なる香りが、
香りに厚みを感じます。
少量のセロリが多くの食材をまとめ上げて、全体の味を引き締めています。
一言で言えば『鼻から味わえる前菜』ですかね。
ワインに良く合いますよ!
<パスタ>
・タリアッテッレ ペスカトーレ
自家製イカナゴとあさりとエビと茄子のソースで
きし麺のような幅広のパスタを食べてもらいます。
ペスカトーレとは漁師という意味です。
漁師が売り物にならないような雑魚(ザコ)をまとめてトマトソースで煮込んだものがはじまり。
日本で言えば、なんでも味噌で炊いてしまう、あら汁のようなもの。
塩・ニンニク・白ワインといったシンプルな味付けがベース。
そこに、
魚介類の旨みがトマトソースによって調和され、
素朴だが非常にコクのあるソースがペスカトーレです。
そんな一般的なペスカトーレなら問題は無かったのですが・・・
今回は奥野シェフがトマトソースを使わずに
生のトマトを少しだけ入れるのみ。
それでも十分な具材が揃っています。
あさりの強いコク。
エビの甘味と強いコク。
イカの食感とコク。
加えて、2年間の熟成で強烈な旨味を持った
イカナゴの唐辛子漬け(ロサマリーナ)。
そこに
フライパンで焼き色をつけてから加える茄子の甘味。
生のトマトの爽やかな酸味が
やんちゃな海の食材達を上手くまとめています。
貝、甲殻類、軟体動物、熟成した魚。
異なる海の食材のそれぞれの旨味の組み合わせが絶妙なんです。
けして上品な味ではありません。
漁師のパスタなんですから。
しかし、職人が繊細に計算したペスカトーレ。
本来のトマトソースで煮込むペスカトーレではなく、
オイル系(ペペロンチーノ)にイカナゴのロサマリーナなどの魚介の濃厚なコクと生のトマト。
食べておくべきパスタだと感じました。
奥野シェフの小さなこだわりは
メイン料理でトマトソースを使っているから、重ならないように。
ということにもあります。
白ワインが欲しくなりましたね。
<メイン>
・豚肩ロースとパプリカのトマトソース煮
豚肩ロースとパプリカを鉄のフライパンで焼いて
唐辛子を加えたトマトソースで軽く煮込んでいます。
パプリカがやりますね。
パプリカ自体も甘いのですが、
豚・トマトとの相性が良いのでより甘く感じるんです。
ローマの下町のテスタッチョのお店で食べた料理です。
とても、おいしかったんです。
今回の料理は、オリジナルよりもさらに美味しく仕上がっています。
ローマで買ってきた生唐辛子のペーストを隠し味に使用しています。
このペーストもやりますね。
辛味だけでなく甘味もあるんです。
唐辛子のペーストのくせにですよ。
青トウのような甘味を持っているんです。
この両者の甘味と辛味、豚のコク、トマトの酸味が絶妙です。
絶対にパンが欲しくなるソースですね(笑)。
この料理をローマで食べた時は衝撃的でした。
口に運んだ瞬間に
奥野シェフと目が合いましたね。
残念だったのは
前菜とパスタを食べすぎて満腹だったこと。
それでも
押し付け合いになることなく
むしろ取り合いになりましたからね(笑)。
目を閉じるとあのトラットリアの店内が今でも浮かびますね。
それだけ思い入れのあるメイン料理。
強くお薦めさせていただきます。