‘13.2/12(火)から2/17(日)の旬のメニューです

<前菜>
・自家製リコッタと鮭のグリル 春キャベツとそら豆のスープ ¥1,680  

<パスタ>
・牛すじとキノコの自家製タリオリーニ              ¥1,680  

<メイン>
・蝦夷鹿(えぞしか)のステーキ チョコレートのソース     ¥1,995  
 なばなのソテーと金時人参のピューレ

<デザート>
・バナナのムース                          ¥472

<前菜>
・自家製リコッタと鮭のグリル 春キャベツとそら豆のスープ

春キャベツとそら豆のスープに浮かんだ鮭のオーブン焼きを
自家製リコッタのソースで食べていただきます。

リコッタとは再び (ri) 煮た (cotta) という意味。
チーズ生成過程で出来たホエー(乳清)を煮詰めて作ったフレッシュなチーズです。

今回は牛乳に生クリーム、ヨーグルトを混ぜたものにレモンを入れます。
すると、当然に分離します。たんぱく質の成分が凝固します。
その凝固物を集め絞ったものです。

鮭をオーブンで焼きます。
その上に自家製のリコッタチーズに
ピスタチオ、オリーブ、レモンの皮を加えたソースを塗ります。
リコッタチーズとは思えない複雑さがあります。

ナッツの食感と風味、オリーブの酸味と風味、
レモンの皮の風味が・・・。
さらに、隠し味程度に入れている自家製ベーコンのコクが。

鼻からも舌からも厚みを感じるソースです。

鮭の下にはスープが。

春キャベツ・そら豆に魚のダシを加えます。

春を予感させる優しい甘味のスープが。

そのスープの上に白いソースが塗られているサーモンが浮いているようで、
アートな感じの盛り付けも楽しんで欲しいです。

<パスタ>
・牛すじとキノコの自家製タリオリーニ

数日間煮込んだ牛すじとキノコのラグー(煮込み)。
ラグーに合わせる自家製のパスタは中華そばくらいの細い麺のタリオリーニ。

けして上品じゃないです!
血湧き肉躍る、食材達のぶつかり稽古のような味。
パンチが効いています。
複数のキノコの香り。
牛すじの香り。
パルメザンチーズの香り。
自家製パスタの小麦の香り。
ローズマリーの香り。
これらの調和。

シェフが調和させたのだが・・・
ちょうどよい分量、タイミングで
食材に導かれたような絶妙なバランス。

なかでもキノコが。
原木栽培の椎茸に
地元の舞茸・シメジ・ヒラタケ・エリンギのそれぞれの異なる香りとコクが
複雑に混ざり合い味に厚みを出しています。
このキノコ達の競演は『旬』の一言ですね。
それぞれのキノコの主張が◎。

さらに
牛すじはもともとは臭いので、処理が必要なんです。

牛すじを炒めてから、玉ねぎ・ニンニク・赤ワインを加えます。

その強いキノコのダシと
玉ねぎ・ニンニクが見事に処理されています。

ここは和食を5年修行した奥野シェフの
仕事の丁寧なところですね。

自家製のタリオリーニは卵黄・小麦の甘み・香りが良いです。
タリオリーニは中華そばのように細いです。
極力水分を抑えたカチカチの生地。
機械では回らない硬さ。手で打たないと困難。
ゆえに
針金のようなしっかりとしたコシ。

そんな細い麺に良く絡む粘っこいソース。
仕上げに大胆にふりかけるパルメザンチーズ。
同じく、仕上げのローズマリーが最高なんです。

食後、残り少なくなるソースは
パンを付けて拭って欲しいですね。

<メイン>
・蝦夷鹿(えぞしか)のステーキ チョコレートのソース
 なばなのソテーと金時人参のピューレ

北海道から届いた鹿肉をステーキにして甘くないカカオのソースで食べてもらいます。
付け合せは、なばなと金時人参のピューレ、自然な甘味を合わせます。

高齢化した農村地帯。
最近の若者は猟銃の資格をあまり取らない。
一方、熊は危険なので市町村が予算を付けて駆除。

天敵が居なくなった鹿は莫大に増える。
農家は鹿に畑を荒されて悩まされている。
解体の設備を整えて鹿肉の販売。

駆除→狩猟
食害を製品へ

そんな理由で安く送っていただくことに。

鹿は牛の1/10の脂肪分らしく、ヘルシーな肉質です。
稲月は赤身の肉に火を入れるのが上手い!そして嬉しそう。
さすが、トスカーナで7年修行しただけのことはある。

チョコレートのソースを合わせます。
とはいえ、甘くはないですよ。カカオの利いた苦くて塩っ気のあるソース。

付け合せはソテーしたほんのり苦いなばな。
金時人参の甘いピューレ。
自然な苦味と甘味が鹿肉によく合います。

今回の鹿は、Tさんが撃った3歳のメス。
Tさんは熊も撃てる資格を持つ腕の良いハンター。
へたくそが撃つと暴れて血が回って臭くなる。
一撃で即死させてすみやかに血抜きをする。

鮮度が良く匂いの少ない蝦夷鹿。これでも稲月・奥野には少し物足りないらしい(笑)。
私には十分野生の香りが感じられましたが・・・。

いろいろ試しましたが、ある程度の匂いはあります。
これ以上匂いを消したら
稲月「鹿を食べる必要がある?豚か牛でいいんじゃないの?」

冬のジビエを堪能してください。