’13 イタリア話 その20 『ベニス』

『ベニス』

ナポリからローマへ。
帰りの電車は満席。

あちらこちらで指定席の切符を持たない人が勝手に座っていて
切符の持ち主が現れて席を立つという光景が・・・

私達も席が空いていなかったのでバラバラで。

席番号を見る限り
奥野・グッチは入ってすぐの席。

私は少し奥のよう。
15Dだから窓際だな。

席に向かうと
お父さんとお母さん。
膝の上には赤ちゃん。

おいおいおい。

俺の席もかよ・・・
しかも
幸せそうなファミリーって言いにくいな・・・

意を決して片言の英語で言った
切符を見せながら
飯田「そこは私の席です。」

お父さん「ごめんなさい。私達の席は15Aと15Cです。赤ちゃんがいるので、よければ席を替わっていただけないでしょうか?」

飯田「切符を見せていただけますか?」

お父さん「どうぞ!」

飯田「わかりました。変わりましょう。可愛い赤ちゃんですね。何歳ですか?」

お父さん「11ヶ月です」

おそらくそんな会話のつもりで席を替わりました。
なんせ片言なんで(笑)

15A席に着こうとすると
通路側15Bには新聞を持った男性が
愛想よく席を立ってくれた。

「プレーゴ」と言って窓側の席に座った。

その後も
おじさんは通路を挟んで
お父さんとおそらく赤ちゃんの話をしていた。
イタリア語なんでわからないが。
フレンドリーだな・・・

しばらくすると
キャリアウーマンっぽい女性の方が立ち止まり
おっちゃんに切符を見せた。

おっちゃんは両手を上げて笑いながら席を立った。

ええええーーーー
おっちゃん、切符を持っていなかったんかいな!!!
どうどうとしたもんだ。

電車が動き出し
隣の女性が話しかけてきた。

女性「どこまでいくんですか?」

飯田「ローマです」

女性「私はべ〇〇」

飯田「えっ?」

女性「べ〇〇」

飯田「(どこ?2回目も聞き取れなかった。どうしよう、話が長くなっても辛いので、笑顔で)シー」と答えた。

女性「もし寝ていたら起こして欲しい」
こんな感じなことを言っていた。

仕事がどうたら言っていたので、
何かしないといけないのか、

最後に降りるときはどうたらと言っていたので
あなたの方が先やから的な感じか・・・

よくわからなかったが降るときは
声をかけさせてもらおう。

その割には
経済の雑誌を何冊も読んでいるぞ・・・?。

まぁいいか、
私はこの文章の下書きを・・・

1時間ですからあっという間にローマに着いた

降りてから
この話を奥野に言った。

奥野「ベニスちゃうの?」

飯田「あぁー!ベニスな。」

奥野「この電車ベネツィア行きやからな」

飯田「そうか・・・ベニスな。ベネツィアしか頭がなかった。」

私はベネツィアには言ったことはないが
ベネツィアの英語表記はベニスなんです。

なんせイタリア語はもちろん、英語も不自由なんで
大変なんですわ。

勉強せなあかんな・・・

写真は流暢なイタリア語を操り
切符を買う奥野。
切符を買う奥野